『金持ち父さん貧乏父さん』からお金について学ぶ

『金持ちお父さん貧乏お父さん』では、金持ちがお金について自分の子供たちに教えていること、中流以下の人たちが教えていないことを明かしています。
著者は投資家であり、ビジネスマンであり、ベストセラー作家であるロバート・キヨサキ氏。
今回の記事では、たくさんの概要・要約記事や様々な感想が存在する『金持ち父さん貧乏父さん』のおおまかな要点を知識0の人がわかるように解説していきます。
1. 『金持ち父さん貧乏父さん』の概要
『金持ち父さん貧乏父さん』は、日本で累計410万部、全世界では累計4,000万部を突破している「金持ち父さんシリーズ」の最初の作品です。 アメリカでは1997年に、日本では2000年に発売された後、2013年にリーマンショック以降の市場動向を踏まえて書き直された改訂版が出版されています。 改訂版は出版から7年ほど経った2021年1月現在、アマゾンの売れ筋ランキングでは、全体で120位、一般・投資読み物(本)では2位、株式投資・投資信託では4位と高ランクに位置しています。
人々がお金で苦しむ最大の理由は、学校に何年通ってもお金について全く学んでいないからだ。人々は結局、お金のために働くことを学ぶ…だが、お金を自分のために働かせる方法を学ぶことは決してない。 ロバート・キヨサキ
2. 『金持ち父さん貧乏父さん』を読んで得られるもの
この本では、お金や人生に対しての考え方や哲学を学ぶことができます。 「お金持ちになるための具体的な技術や方法を知ることができない。だから時間のムダだ」というレビューや感想が散見されます。
この意見の前半部分については事実です。著者がいかにしてお金を稼いだのか、それを自己啓発的な内容としてまとめられています。
しかし後半部分は、一部間違いです。成功する人としない人の一番の差はまさに「考え方」です。具体的な技術や方法を知識として蓄えることも大事でしょうが、核となるマインドがなければそれをうまく使えるわけもありません。 だから、これから投資を始めるような大学生にとっては、入り口となるような良いビジネス書の一つなのです。
3. 『金持ち父さん貧乏父さん』の要約
お金持ちになるための考え方として「6つの教え」について記述されています。本書では金持ち父さんから主人公が学ぶエピソードが描かれていますが、今回はそれらを省いて、「6つの教え」をわかりやすくまとめていきます。
第一の教え お金持ちはお金のために働かない
大学生であると想像できないかもしれませんが、一般的な人たちは、朝起きて家から同じ道を通って仕事に行き、帰ったら家に届いている請求書を毎月支払う、そして明日の仕事のために早く寝て、翌朝はまた早くに起きて…と、日々を繰り返します。 しかしながら、これでは給料が劇的に上がることもなく、暮らしが楽になることもない、理想的な人生を歩むこともできません。
本書はこのような状態を「ラットレース」と定義しています。

また、そうなってしまう一番の原因は、国の経済や政府、金持ち連中のせいではなく、恐怖と無知であるといいます。そして、人生とは「無知」と「啓蒙」の絶え間ない戦いだとも述べています。 そして、この「ラットレース」に陥らない・脱出するためには、感情をコントロールし、自分にとっていい方向に使うことが大切だと結論付けています。
第二の教え お金の流れの読み方を学ぶ
ここの主な内容は「金持ちになりたければ、お金について勉強しなければならない」です。当たり前ですね。しかしながら、私たちは学校で「お金」に関することを学ぶことはほとんどありません。不思議な話ですね。 金持ち父さんは、資産と負債を理解することの重要性を述べたうえで、それぞれを定義しています。
このように、会社を作り、税金を支払うタイミングを変えることで節税することができるのです。 当然、法律は複雑ですから、こう簡単にはいきませんが、「自分のビジネス」の将来を考え、対策をする必要があります。
資産:ポケットかにお金を入れてくれるもの
負債:ポケットからお金を取っていくもの
一般的に「資産」だとされる持ち家も、この定義によれば「負債」であることになります。定期的にローンを支払っていますからね。 金持ち父さんは「金持ちは資産を手に入れる。中流以下の人は負債を手に入れ、資産だと思い込む」と言います。持ち家の例のように、本当の「資産」と「負債」は何かを判断する価値観を形成していくことこそが、金持ちになるプロセスだと言えます。
第三の教え 自分のビジネスを持つ
ビジネスとは「資産」で、仕事とは「収入」です。会社員のような仕事では収入を得られますが、資産ではありません。さきほどの定義を踏まえると、自分のポケットにお金を入れてくれるものが「ビジネス」なのです。それは「お金に働いてもらう仕組み」です。 そして、金持ち父さんは仕事(大学生であればアルバイトでしょうか)によって収入を得るだけではなく、自分のビジネスを持つことを勧めています。
第四の教え 会社を作って節税する
税金は払うべきものですが、金持ち父さんによれば「税金は本体貧乏人のためのもの」だそうです。日本なんかでは収入が高いほど税金がかかりますから、資産を形成するためには税金対策が必要なわけです。 まず金持ち父さんは、ファイナンスインテリジェンス、つまりお金に関する知識は、以下の四つの専門分野からなると言います。
- 会計力:ビジネスの強みと弱みを見極めて
- 投資力:創造的に戦略を立てる力
- 市場の理解力:市場の「人為的」側面を知り、投資に関する経済的感覚をもって機会を活用する力
- 法律力:自身と自身の資産のために法律を活用する力
会社を作ることで、有効な税金対策を講じることができます。簡単な例を上げましょう。
会社がある場合 |
会社がない場合 |
500万円の収入 |
|
経費で200万円を使う |
100万円が天引きされる(20%) |
300万円から60万円の税金を支払う(20%) |
天引き後は400万円 |
使えるお金は440万円 (経費200万+残り240万) |
使えるお金は400万円 |
第五の教え お金持ちはお金を作り出す
金持ち父さんは、投資家を「パッケージ化された投資を買う人」と「投資を自分で作り出す人」に二分できるといい、本当の資産を作ることができるのは後者であると結論付けます。 そして後者の投資家になり、成功するためには以下3つの技術が必要だといいます。


- ほかの人が見過ごすチャンスを見つける技術
- 資金を集める技術
- 頭のいい人間を集めて組織する技術
第六の教え お金のためではなく、学ぶために働く
金持ち父さんは「将来、資産を築いて金持ちになるために必要な知恵を学ぶことができる仕事を選ぶ」ことを勧めています。 例えば、大学生のアルバイトであっても、やみくもに時間を切り売りするのか、身に着けられるスキルを意識するのかとでは、雲泥の差です。
また、これは余談ですが、勉強などで学ぶことが期待できる知識やスキルがどのような場面で生きるかは、学ぶ前にはわかりません。そしてそれこそが学ばなければいけない理由であると、思想家、武道家、神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏は言います。詳しくは同氏の著書『下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち』を参考になると思います。なかなか興味深い内容です。
逆に言えば、一つ一つの仕事を選ぶ際の意図や目的を持つことが大切だということです。実際に著者のロバート氏も皿洗いや工場の現場、営業など色々な仕事を経験して、知恵を得てきたそうです。
4. 金持ち父さんの考えを鵜呑みにはするな
『金持ち父さん貧乏父さん』に書いてあることが必ずしも正しいわけではありません。ただでさえ初版から20年はたっていますから、本書記載の情報やそれに対する考えが最新であるとはいえません。 内容が正しいわけではないということは、『金持ち父さん貧乏父さん』だけではなく参考となる本全てに言えることでしょう。
では、正しい内容とは?間違った内容とは?これを見極めるには、同じトピックに関する多数の本を読むことです。複数の本で、同じ内容が述べられているのなら、それは普遍的な事実であり、正しさが保障されていると言えます。もしそうでなければ、それは著者の意見・主張に過ぎない、というわけですね。
終わりに
今回はロングセラー『金持ち父さん貧乏父さん』について勉強してきました。投資について勉強し始めた大学生なんかにとっては、興味深く面白い内容も多かったかもしれません。実際の内容では主人公やその友人、金持ち父さんや貧乏父さんが登場して話が進むので、自身で読むことで内容をさらに深く理解できるでしょう。
今回は、投稿者である0から投資が大事だと感じた点をまとめているので、実際にあなたが読むとまた違った視点から解釈できるかもしれません。ぜひ『金持ち父さん貧乏父さん』や同類書を読んであなた自身のお金に対する「考え方」「哲学」を確立していってください。